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新型ポルシェ911(992モデル)で攻めてみる!

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2019. 10. 04.

2019. 10. 04.

スーパーカーのある生活 テストドライブ

新型ポルシェ911(992モデル)で攻めてみる!

2019年度版ポルシェ911(992モデル)が発表されたので、さっそくフィーリングを試すべく乗車した。

今回の992モデルとなる新型911は、前回の911から進化。ウィングと一体化したような、未来的なテールランプはかなり恰好が良くなった。
デザイナーがかなりこだわった今回の一体型LEDテールランプは、従来までの分離型と異なり、夜目にすると一ラインで見え一層のインパクトがある。
過去モデルとなる930,964のデザインを現代風にリファインした感じだ。

もともとポルシェはリアビューからのデザインフォルムが美しい。
一体型のLEDテールランプに立体的なポルシェのロゴ、そして2本出しの太いマフラーが従来のモデルとは一線を画す素晴らしいデザインとなって仕上がっている。996以降の911で改良を重ねた結果の完成版のデザインだ。

最新・最良のデザインを追求

今度はフロント側から眺めてみる。
するとボンネットにスリットが入っていることに気がつく。
これがGT3RSの面影を作り出していて、なんとも言えない迫力を増している。

しかも今回の新型911のホイールは、フロント20インチ/リア21インチとかなりワイドに大きくなっている。
一昔前のモデルでは前後ともに18インチのホイールを履いていたので、新旧並べて比べてみると同じ車とは思えないほどホイールが大きい。
さらに今回の911のデザインホイールはエッジがきいていてかなり格好良い。

21の大型ホイール

リアビューからの写真を見ても分かると思うが、ウィングとボディを区切っているラインが非常にワイドに広範囲に広がっており、キレイなエッジの効いたフォルムを見せている。これが80km以上の高速走行時に展開すると写真のようにウィングが自動で上昇する。その際の存在感は今までのウイングに比べて大きく増すインパクトだ。

カリフのスタッフとして率直な意見を言うと、最近の911のウィングは取ってつけたかのような小型のウィングになっていて、ウィングを可変させてもイマイチインパクトに欠けていた。ポルシェらしくない、かなり謙虚なウイングだった。
ウィングの傾斜角度も高く、思いっきり羽を伸ばすように広がるウィングでもついていれば、まだ見る者を圧倒するのだが、残念なことに小さな羽がちょっと上昇する大人しいものだった。

大型化したリアウィングは存在感が抜群

今回の新型911では、待望の大型ウィングとなり、しかも開閉角度も文句なしの仕上がりだ。
ボディの端近くまでワイドに幅が広がり、文字通りの大型ウィングだ。完成系に近い。

ウィングと一体化したようなLEDテールランプだが、ウィングが上がっているときはウィング側のブレーキランプが点灯、下がっている時はボディについているブレーキランプが点灯する。

ボディ側のテールランプ

ここから乗車した際のインプレッションを説明したい。
従来のモデルと比較して、シートのクッション性が増して座り心地はかなり良くなった。
今回のシートがかなりタイトに作られているせいかドライバーのホールド性が高く、非常に安心感が増した印象だ。
実際にシートに座ってみると従来通りの911の視認性が確保されている。ハンドルまわりの操作性も同じで以前ポルシェを乗っていたドライバーなら迷うことはない。

しかし今回の8代目、新型911カレラSは、3.0リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンを7代目の911同様に搭載している。最高出力は450馬力とこれまでの911と比較すると一番パワーがある。一昔前の911GT2とほぼ同等レベルのパワー(996GT2前期モデルは462ps)があるのは驚きだが、海外勢のスーパーカーの争いの中では、むしろこの位のパワーは標準として求められてきているのかもしれない。

レース仕様となるポルシェGT3の500馬力と50馬力しか差がないので、ほとんどスペックや走りが変わらなくなってきているのでは?と感じる読者の方も多いかもしれないが、しかしそこはさすがに全然違う。
新型911とレース仕様のGT3とはただ50馬力違うというカタログスペック値の差だけではなく、乗り物自体が全く異なる。そういう差はカタログでは表記しにしくいが、明らかに違うのだ。その違いを知りたいと思うなら、乗り比べたらすぐに分かる。

簡単に言えば、それは快適性。日常遣いが出来るかどうか。
新型911には、日常遣いとして走れるドライバーに対しての優しさ、運転時のゆとりがある。買い物にも行ける。
しかしポルシェGT3はサーキット仕様を謳うだけあり、軽量化を目指した対価として、断熱性能は薄く、シート位置もかなり低く、日常的に使うには、クルマの持っているパワーに立ち向かう気力と体力が必要になってくる。クルマ自体が持つエネルギーを100%ぶつけてくるのだ。
あくまでポルシェGT3はサーキットでタイムをコンマ単位で削ることを前提にしたクルマの為、ドライバーに求めてくる要求もスパルタンなのだ。

新型911は内装もかなりグレードアップ

最近のポルシェは内装の質感が、昔と比べるとかなり良くなってきている。
もちろんそれに伴って価格もかなり上がってきている印象だ。
一昔前の911は1,000万ちょっとで購入できる印象だったが、997モデルあたりから1,200万円台となり、今回の992カレラSからは1,660万となった。しかもポルシェは購入時にオプションが当たり前のように選択される為、今回試乗した車両もオプションを含めた合計は2,400万円くらいだ。
ハンドル一つとっても、その質感は確実に良くなっている。握った際のグリップ感、革の質感を昔と比べると格段に良くなっている。

他メーカー同様にポルシェもデジタルメーター時代に突入しているため、今回はメーター横やナビゲーション位置にもはめ込み画面がついている。
ワイド画面が時流と感じるが、これはメルセデス・ベンツのSクラスから始まった流れだろう。

タコメーターと速度メーターはアナログ針のまま残っている

ただ今回のポルシェ911は頑なに回転を示すタコメーターと速度メーターだけはアナログ式の針メーターを採用した。
強いポリシーを感じるポルシェには、どれだけ時代が進化してもこのアナログメーターだけは残してもらいたいものだ。

さてエンジンサウンドはどうか?オーナーとしては気になるところだろう。
近年は国内で発売されているポルシェ911においてもPDK(ポルシェ・ドッペルクップルング:デュアルクラッチ式オートマチックトランスミッション)ばかりでマニュアルがほぼなくなった。それだけが原因ではないが、最近のポルシェは非常に静かになったという印象だ。

今回、新型ポルシェ911を試乗してみて良かったと感じたのは、ドライブモードを切り替えエンジンサウンドを大きくさせたあと、5,000〜4,000回転にエンジンブレーキをかけたとき、非常に太いエンジンサウンドを奏でられた。
とても官能的で癖になりそうなサウンドに仕上がっていた。
ついつい笑顔になり何度も加速・エンジンブレーキによる減速でエンジンサウンドを楽しんでしまった。新型992のエンジンサウンドやフィーリングはとても素晴らしい仕上がりだ。

総評となるが、新型911は、従来のモデルと比較してかなりワイルドだ。これまでの996、997、911の流れからきた現行版モデルの最終版ポルシェをうまく992で完成系にまとめ上げたという印象だ。 車好きの方はぜひ一度トライしてみて欲しい。

余談だが、2年後の2021年には、待望とも言えるポルシェ専用サーキット「ポルシェエクスペリエンスセンター」が千葉県の木更津に完成する。
ヨーロッパと同じように日本でも、もう少し気軽にサーキット走行をしてみたい、オシャレなレストランで食事でもしながら友人らとレースを楽しみたい。そんなポルシェオーナーにはおすすめの極上の施設だ。
その名の通りポルシェオーナーや、これからオーナーになりたい人が気軽にサーキット走行を楽しめる。日本にいる車好きなポルシェオーナーを国内にいながら満足させる時代がすぐそこまでやってきている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39136140Z11C18A2TJ1000/

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