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2018. 04. 18.

高い完成度を誇るメルセデスS450

メルセデスがついに旗艦車種である「Sクラス」に直列6気筒エンジンと48V(ボルト)のマイルドハイブリッドを搭載した。

プレミアムエンジンの基礎で20世紀の集大成とも言われる直列6気筒のガソリンエンジンは、6つのシリンダーが重ならずに燃焼行程に入るため、クランクシャフトに掛かる負担が均等化されてパワー効率が良く、振動も最も少ないとされている。V型12気筒がスーパースポーツや超プレミアムサルーンで一時代を築き上げた所以は、この直列6気筒をふたつ組み合わせたからだと言われている。

メルセデスはインテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ISG)をこの新型直列6気筒エンジンと9段トランスミッションとの間に挟み込んだマイルドハイブリッドと呼ばれる形式となり、これはスターターとジェネレーター(発電機)を兼ねたモーターを搭載している。

そのメリットとしては、ストロング・ハイブリッドに対して電動系で最大の重量物となるバッテリーを小型化できることであり、ここに1kWhの容量を持つリチウムイオン電池を搭載した。
また、スズキなどはISGをベルト駆動としているのに対して、メルセデスはホンダのIMAと同じようにモーターをクランク直結とすることで最高出力22PS、最大トルクでは250Nmという大きなトルクを達成したのである。

 

直6エンジンの復活は合理的

ストロング・ハイブリッドをもラインナップしてきたメルセデスが、これより電気的な出力特性に劣るマイルドハイブリッドを新たに開発したのかというと、その理由のひとつは、直列4気筒エンジンと同じラインで直列6気筒ユニットを作ることが可能となるからである。生産ラインや部品点数の効率化でコストが抑えられるだけでなく、CO2削減的な観点から見ても環境性能に貢献しているのではないかということ、そしてもうひとつは環境性能への直接的な効果である。

直列エンジンはエンジンの吸気側(コールドサイド)と排気側(ホットサイド)を完全に分離することができ、年々肥大化する補器類、特に排ガス浄化を担う三元触媒の容量を大容量化できるという。また、クルマのボディが次第に大きくなって行くのに対して、エンジンルームはそれ程大きくなってはいない。Vバンクの間にタービンを2つ配置する隙間にさらに大きな触媒を置くよりは、直列エンジンの片側(即ちホットサイド)に触媒を寄せて置く方が、メリットは多そうだという見解である。

直列6気筒となったそのエンジン全長は、V型6気筒に対してやや長くはなったが、触媒以外にカムシャフトなどの部品点数も少なくすることが可能となり、エンジン全体としてコンパクトに仕上がっている。

安全性が求められるようになってきている時代背景の中、クラッシャブルゾーンを確保することが重要視されるようになり、かつては直列6気筒は切り捨てられてきたが、現在はカメラやセンサーなどの技術が進歩したことで今回の復活が実現したのであろう。性能の発達によって直列6気筒も返り咲いたのである。

 

低中速での際立った柔軟性は48Vシステムの恩恵

実際の走りはというと、直列6気筒の効果というべきか、エンジン振動そのものが極めて少なく、さらにSクラスとしての遮音性が行き届いた室内では、意識を払ってもそれが気にならない。
アイドリング回転数は520rpmととても低く、さらに街中ではエンジンストップまで働く。
加えて、アクセルを少し踏み込んだときのゼロ発進加速は実に滑らかで、モーターアシストと電動スーパーチャージャーが連携して走り出してるのを感じさせないシームレスな切替えのスムーズさがある。街中では全てが回転数が1000rpm台で片付いてしまうので、低中速での高い柔軟性は48Vシステムの賜物といえるだろう。

また、極められたエアマチックサスペンションやディストロニック・プラスのアシストが加わっていてもハンドリングの中核にリニアな操縦性がきちんと残されているため、乗らされている感は感じない。ステアリングセンター部分に微妙な不感帯を作ることで、コンフォートモードで弱められた減衰力設定に対して操舵に対する反応が過敏になる部分を上手く緩和し、Sクラスのユーザー層が求めるであろう軽やかな操作感や穏やかで正確なライントレース性を実現している。モード切替えを「スポーツモード」、「スポーツ+モード」と高めて行けばさらにしっくりと馴染む。

 

エンジン自体は効率重視と心地の良さを

肝心のエンジンはというと、メカニカルなストレート・シックスの鼓動感というより現代的な洗練を帯びた直列6気筒の味わいといえる。
そのパワーはひたすらに超効率で発揮されていき、かつての動弁系の心地よいバイブレーションが伝わりながら回転の上昇と共にこれが整って行く過程はなくなっている。
高回転域で伸びやかに突き抜けるパワーとターボらしからぬその心地よさには、直列6気筒の良さが感じられる。

Sクラス従来の質実剛健さを備えながらも、実用域ではモーターと電動スーパーチャージャーが静静と走らせる感覚とSクラスに相応しい品質、そして環境性能を保ったことはまさに先進的といえ、EVコンバートへの期待もどんどん膨らんでいくであろう。

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