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2018.05.09

コストパフォーマンス最高のNCロードスター

ポリシーは堅守しながら大型化を

マツダ・ロードスター「CBA-NCEC型」、通称“NCロードスター”は、今から約13年前となる2005年に発売された。当時の日本は、バブル経済の崩壊から経済的な転換期でマツダもその影響を受けてロードスターに専用のプラットフォームを与えることができなかった。新規プラットフォームと銘打ちながらも実際には、そのベースを4シーターのロータリー・スポーツクーペである「RX-8」と共用したことで出来上がったNCロードスターは、歴代の物と比べてサイズが大きい。

全長3995mm×全幅1720mm×全高1245mmでイールベースに至っては2330mmというディメンション。前作から全長+40mm、全幅+40mm、全高+10mm、ホイールベースは+65mmも大型化を図り、実際に車体をみると数字から見るよりも予想以上の大きさを感じさせる。

ロードスターには「人馬一体」という明確なポリシーがあり、これを実現するために大型化してもなお最後までロードスターをロードスターたらしめようとしたのはマツダのユニークなところだった。エンジンを1.8Lから2.0Lへと上方移行し、タイヤサイズを16インチ(一部グレードは17インチ)へと拡大しながらも、たとえばBMWがZ3からZ4へ転じたようなプレミアムシフトの道を、簡単には選ばなかった。

ロードスターの開発チームは、非常にマニアックな手法でNCロードスターを作り上げ、そのひとつが「グラム作戦」と呼ばれる軽量化である。

 

高次元な走りと安定感を持つロードスター

NCロードスターは、開発当初の時点では重量目標値が1128kgだったというが、マツダはここに100名を超えるスタッフを投入していろいろな検証を踏まえ合計573カ所、総重量43.589kgの重量削減案を作成した。最終的には先代NBロードスターと比べても+10kgの1100kgにまで抑え、ホワイトボディの重量では先代より1.6kgも軽い、247.5kgを実現したという。

この車両重量に関してはRSグレード同士の比較という言葉のマジックがあり、廉価なグレードであるNB型の1.6Lモデルが最終型でも1030kgという軽さと比較するとNCロードスターは最軽量グレードは1090kg、2Lの排気量を持つオープンカーとしては十分以上に軽いけれど、マツダ・ロードスターとして見ればやや重たい、という一種独特なポジションになった。

それもあって、ユーザーの層もNB型までとは少し違っている印象がある。

高次元なものとなったのは、スタビリティの向上で、3ナンバー化されたワイドボディとシリーズで一番余裕のある出力特性(170ps/19.3kg-m)によるその走りは最も安心感が高い。

また、10年時間にわたる余念のないブラッシュアップを行い安定感をベースにしながらもハンドリングは代を重ねるごとにシャープなものへと進歩していった。

その中でマニアックな処置も施され、例えばエンジンに鍛造クランクが奢られ、ハンドリングではロールセンター高を下げるといった内容で、ファンの間ではNC1/NC1.5/NC2/NC3と4段階に区別された変遷があるといわれている。

 

最高のコストパフォーマンスな現在

NCロードスターは、昨今高騰する国産スポーツカーの中にあっても中古車価格は別格に安い。それは、ロードスターを求めるユーザーにとっては速さを求めるスポーツカーではないことが挙げられることとか、ロードスターとしては不人気なイメージによってとか。色々な要因が考えられることはあるが、価格が安い事はチャンスである。走りのベース車としていじりながら楽しんだり、純粋にオープンカーとして楽しんだりと色々な楽しみ方ができる。そしてシリーズ随一の安定感があるこのロードスターは最高のコストパフォーマンスではないだろうか。

引用元: カービューCARIFEニュース一覧へ