2017. 11. 28.
東京モーターショー2017
ポルシェGT3とレース車GT3カップカーが
東京モーターショーで共演!
「ポルシェの世界的な需要増から、なかなか新型のポルシェが手に入らない」
そんな悲鳴が聞こえてくる中、今年は公道最速の一種ポルシェGT3の大型ウイングが付いていない2017年発表のGT3ロードカータイプが東京モーターショー2017で展示されると聞いていた。しかし実際は、大型ウイング付きのポルシェGT3とワンメイクレース用のポルシェGT3カップカーが飾られていた。
公道を走れる最速のスーパーカーの一種であるポルシェGT3とサーキット場での最速レースのワンメイクレース、ポルシェGT3カップカーが一緒に飾られているのは極めて稀だ。
これは、公道最速のポルシェGT3の車両が、ポルシェGT3カップカーをベースに同じ生産ラインで、ポルシェマイスターの手作りで生産されていることを意図して展示している。
スーパーカーを生産している世界中の車メーカーを見渡しても、レース仕様の車両と量販車を同じ設備で同じ職人が作るというのは、非常に珍しい。ほとんどのメーカーはレース車両を作っている関連会社に委託して、レース専用車として生産される。
だからこそポルシェ車の基本コンセプトは、家からサーキット場に行って、そのまま帰宅できるスペックになっているのだ。同じ生産ラインで同じ部材を使用していることの証明にもなる。
レースカーが、そのまま公道仕様にモディファイされているようなものだ。
今では高級車での採用も多い、壊れやすい電子系統のメーターパネル、数多く使われている電子制御、モニタリングなど壊れやすい部品の採用点数がポルシェでは極端に少ない。
最低限の機能しか付けない。無駄なものを削る。長く走らせるために、耐久性能を重視した部材のみを使用する。それがポルシェの車作りのコンセプトだ。
そして、市販車もサーキット専用車も見た目も機能もほぼ変わらない。
街中で古いポルシェが走っているのを見かけるのは、設立当初からそういうコンセプトが伝統として受け継がれている証拠だ。
今回展示してあった2018年モデルのGT3カップカーは、軽量化と最高馬力をポルシェGT3が500馬力にアップし、先行して販売してたポルシェGT3-RSと同じ馬力にアップしたのに対して、485馬力に抑えている。
公道を走るGT3よりサーキット仕様のGT3カップカーの方が馬力を抑えてもサーキット場では早い。
メーカー同士の馬力競争だけが注目されて馬力競争になりがちな今の時代の中で、最大馬力だけが重要ではない。そうポルシェは語る。
そう伝えるポルシェGT3の数字の魅力やコンセプトがポルシェ車の全車種の魅力にもつながるのだ。
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