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ポルシェタイカンターボSの実力

PICKUP , スーパーカーのある生活 , 車✕非日常

2020. 09. 01.

2020. 09. 01.

スーパーカーのある生活

ポルシェタイカンターボSの実力

今年の6/17にオープンしたばかりの商業施設「有明ガーデン」の横に、ポルシェジャパンは日本初のポップアップストア「Porsche NOW Tokyo(ポルシェ ナウ トウキョウ)」を期間限定(7/12〜8/31まで)でオープンしたので、さっそくポルシェのEV車「タイカンターボS」を見に行ってきた。

今回オープンした「Porsche NOW」は、期間限定のフレキシブルなリテールコンセプト店で、人通りの多い街の中心部やショッピングモール向けに構想され、いままでポルシェに接点のなかったユーザーをメインターゲットに設定。幅広いターゲットにポルシェのブランドを訴求するための拠点だ。
そのため外からポルシェが見やすいようなガラス張りで、店内が気軽に見れるようになっている。

高級車としてのイメージが強いポルシェだが裾野を広げて多くの人に興味を持ってもらおうというコンセプトで、これまでも世界中で展開しておりドバイ、ブルネイ、リッチモンド、台北などで展開が行われている。
日本ではオリンピックの開催に向けて、再開発が進められている東京の有明が選ばれ期間限定でオープンした形だ。

さっそくタイカンターボSに乗ってみた。

見た目はパナメーラを少しショートにして重心をかなり低くした感じだ。重心が低いせいか安定性を非常に感じられる。今回のEVのバッテリーの関係で重心が低く出来ていることも影響している。ヘッドライトが今までの911とはかなり異なるデザインで正直迫力はあるが違和感があることは否めない。このヘッドライトが馴染むのか見慣れてくるかどうかは、時間の経過に伴う判断が必要だろう。昔漫画で見たロボットアニメの〇〇の顔に似ていると思った方も多いかもしれない。

またヘッドライト横の切り込んでいるフェンダ形状が個人的にはあまり好きではない。サイドピラーやドアのエッジはカッコいいと思うが、922でワイドボディになったリアが踏襲されていない。まずはパナメーラの後継車だなというのが第一印象だ。ホイールはEV車とひと目で見分けがつくようにかブラック&ホワイトのホイールになっておりブレーキはオプション仕様だ。

内装に目を移すと、ハンドルは911GTシリーズやケイマンGTシリーズと同じ素材。メーター類は今回から他のブランドと同様にフルデジタル表示のコクピットになった。クラッシックポルシェをイメージしたメーター類だが、デジタル表示になったことが良いかどうかは今の段階では判断できなかった。またセンターコンソールはタッチパネルに対応している。ここも他のブランドの動向を拾い上げた感じだ。「ハイ、メルセデス」で有名になったように「ハイ、ポルシェ」の呼びかけにも対応する。
EV車は内装もシンプルといった風潮がテスラから始まったが、このタイカンターボSでも同じように画面のタッチで機能し、シンプルな構造の内装だが個人的には味気がないと感じる。車の機能に関しても、どこも同じメーカーからインターフェース機能を買ってきて、そのまま車に取り付けている。そうなるとデザインの差はあれど技術的な差がなくなるのは当然と言える。
ただ今回ポルシェ独自のユニークな機能として、視覚フィードバックが装備されていて、ドライバーの目の動きなどで空調などの機能がコントロール出来るようになったのはすごい革新だ。
また最近流行のサステナブルにも注力しているのか、タイカンターボSのフロントシートは革を使わない「レーステック」素材だ。リサイクルポリエステル繊維を部分的にあしらったマイクロファイバー素材だが、正直なところ高級感に乏しい。

このタイカンEV車がスポーツカーかどうかという議論があるが、私はスポーツカーではないに1票。例えば、同じようにテスラの0-100㎞の加速が2.8秒であってもスポーツカーではないのと一緒だ。スポーツカーとは、スピードが早いことやコーナーの侵入スピードが早いという技術的な進化における挙動も重要だが、それ以上にパッションに訴えるかどうかが最も重要だと感じている。

ポルシェのHPでは、以下の内容で多くの業界の人に問いかけている。

「スポーツカーは必要か?」今の時代に必要なキーワードだ。

今、EV化へ世界中の自動車業界が動いている中で、大事な質問だと思う。

今の世の中でスポーツカーが必要なのか?自動運転車で良いのではないか?

環境に良い車であれば、良いのではないか?

様々な意見があると思う。しかしHP上で車業界人の方々が挙げている声は、スポーツカーは必要だと伝えている。しかし、本当に今の20代や車離れをしている世代が車でさえ乗らないのに、本当にスポーツカーは必要なのか?とも感じる。また、車を所有することの費用を考えた場合、移動手段にしか考えられない中で、スポーツカーは必要なのか?と感じる。また、道路交通法が厳しい日本で本当のスポーツカーのポテンシャルを出せる場所が本当に気軽にあるのか?

様々な疑問が浮かんでくる。そう考えるとスポーツカーは本当に現在において必要なのか?

スポーツカー、レースカー、F1などは、技術革新の為でもあり、そのためにも重要だという声が多いが、量産車においてスポーツカーが必要かどうかを問う前に考えるべきことがある。

スポーツカーに乗る人はどういう人か?が重要であり、スポーツカーを乗るための環境はどういう環境であるべきなのか?また、スポーツカーに乗るためには何が必要か?スポーツカーとしての役割とは何なのか? 

そして、その結果、スポーツカーはスポーツカーに乗る人に何を与えてくれるのか?個人的には、そこを問いていくことが重要だと思っている。

ただ車の技術的なスペックだけで、スポーツカーかどうかを問う時代ではない。

ここでポルシェ・タイカン ターボSのスペックを見ていこう。

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4963×1966×1378mm
ホイールベース:2900mm
車重:2295kg(DIN)
駆動方式:4WD
モーター:永久磁石同期式電動モーター

システム最高出力:761PS(560kW)
システム最大トルク:1050N・m(107.1kgf・m)
タイヤ:(前)265/35ZR21 101Y XL/(後)305/30ZR21 104Y XL

(グッドイヤー・イーグルF1アシンメトリック3)
一充電最大走行可能距離:412km(WLTPモード)

1回の走行距離は、400㎞ほど。本当にEV車でこのパワーが必要なのだろうか?また、あまりのトルクの大きさにF1で使われる類のタイヤスペックを履くのは日常使う中で、どうなのだろうか?

そんな加速が必要な場所がこの日本にあるのだろうか?また、そんな馬力の車を運転できるほど、運転がうまくて、動体視力が良くて、体力、メンタル的に良好な人がどれだけいるのだろうか?

もっと乗りやすい車、馬力も200PSもあれば良いのではないかと思ってしまう。

最後にEV車の充電についてだが、家でチャージするには、最大8kWで10~12時間でフル充電。正規販売店などに配備されるポルシェターボチャージャーでは最大150kW24分で80%の充電が完了する予定。

正規販売店への設置は2020年度中に21拠点を目指し、2023年には44拠点まで拡大を目指す予定だがまだまだステーションが少ない。特に地方でEV車のタイカンに乗るためには、家庭にチャージャーを用意しないと無理だろう。

ポルシェジャパンプレミアムのタイカンの公開を見たい方はこちら。

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